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・主人公の一人称について


ひとつの話ごとに、この主人公はどの一人称で喋るだろうかと考えるのですが、
「ではまた、来世で」の場合は【女の時=私】【男の時=おれ】にしています。
何故「俺」ではなく「おれ」なのか。ひらがなの方がやわらかいイメージがあって、
この主人公には合ってるかな、というのも一つの理由ですが、
言い慣れてない感じが出したかった、ってのもあります。
小さい子が初めてその言葉を覚えたときに、喋るような。身に染み付いてない言葉というか。
そんな感じで決定した一人称でした。

トリップ後、喋るときの一人称はずっと「おれ」なのですが、
12話の最後のところ。一箇所だけ「私」と言っています。
この時は「戦国時代で生きた商人」としてではなく「本当の自分」としてしゃべってます。
普段の行動が嘘かといえば決してそうではないけれど、「おれ」と言うことで
仕方なしとはいえ周囲に嘘をつき続けていた自分。そんな自分ではなく、本当の自分として
最後に元就さんに挨拶をきちんとしたかったというか。うーんうまく言えないのですが。
元就さんはそれに気付いているのかいないのか。多分気付いていたんじゃないかと。



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・元就さんが育て親を嫌いな理由


本当にしょうもないのですが、地味に設定があったり。
育て親が城に商売に来たとき、松寿丸が何かいけないことをしたらしく、
おしおきだべーということで暗くて狭いところに閉じ込められました。
しかしそのことを忘れて城を出る育て親。後日「あ、やっべ」と思い出すけど
「まあいいや忍びが助けてるだろ」と勝手に納得。
暗い狭い寒いと三拍子揃ったところからなんとか自力で脱出した松寿丸は、
その時見た太陽の光の温かさ、眩しさ、美しさにえらく感動したとかなんとか。

その時のことを松寿丸は根に持っていて、次に会ったときに怒鳴り散らすんですが
育て親の方はすっかり忘れていたらしく「ん、そんなことあったっけか。まぁすまんすまん」と
軽く流され、おまけに「んなことまだ気にしてんのか。器の小せぇ男だな」とか笑いながら言われたので
完全に嫌いになった。という話。蛇足。



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・主人公と同じ名前の従業員(ボツネタ)


書きたいなと思いつつボツになった番外編について少し。
ある日主人公が実家のお店に帰ったところ、一人見慣れない女の子が働いていました。
「新入りの子かな?よろしくね。お名前は?」と尋ねたところ、元の自分と同じ名前でした。
「よろしくお願いします」と頭を下げられて、少し困ったようにへらりと笑う主人公。
その女の子にとって主人公は、いつも笑っていて親しみやすい店長だけど、
自分に対する時だけどことなく困ったように笑う、ということには気付いています。
主人公からすれば「なんか変な感じー」という程度なのですが。

そんで主人公がいなくなった後、育て親にひっついて元就さんのお城に行きます。
自己紹介したときに、ふと元就さんからの視線を感じて、顔を上げてしまいます。
そこにはなんともいえない、どこか遠くを見るような顔をした元就さん。
前にもこんな顔をみたことがあるわ、と感じる女の子。
そうだ、かつての店長が私を見るときの瞳と似ているんだわ、ということに気付きます。
まあそれだけなんですけど!それだけの話なんですけど!
こんなこともありました、というお話。



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・現代における主人公とその周りの人々の設定なぞ


料亭【婆娑羅亭】の人々
 主人公(下働き。雑用係とも言う)
 元就さん(経理関係、裏方担当。料亭の財布を握っている)
 育て親(店長。何してるかよく分からない店長)
 伊達の坊ちゃん(板前見習い。腕は良いが口が悪い。目つきも悪い)

和菓子屋【武田屋】の人々
 信玄さん(店長。和菓子職人。ずっしりとした和菓子作りが得意)
 佐助さん(和菓子職人。真田家の世話役)
 幸村くん(信玄さんの作る和菓子に心底惚れこんでいて、
      弟子入り志願中だが学生のうちは駄目だと断られ続けている)

ケーキ屋【Kenshin】の人々
 謙信公(店長。パティシエ。とても美しく繊細なケーキを作る)
 かすが(見習いパティシエ。薔薇の砂糖菓子作りが得意)

その他の人々
 元親さん(漁師。婆娑羅亭に魚を卸している)
 信長様(一流老舗旅館【織田家】の旦那。女将は言うまでもなく濃姫。下働きの蘭丸と料理長の明智さんが居る)
 まつさん(酪農家。織田家や婆娑羅亭に野菜や肉を卸している。料理の腕は天下一品)
 慶次(不明。なんか楽しそうなのでよしとする。)





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